クリーニングペーパーの用途と使い方
▼お手入れって必要?
管楽器はお手入れが必要で、さらに定期メンテナンスもした方が良いと言われています。
正しいお手入れをすることで楽器の寿命が延びるというイメージをしていただくとわかりやすいかもしれません。
楽器自体は消耗品という認識ではないと思いますが、各部品はやはり少しづつ消耗していくのです。
お手入れをするといっても道具を使うだけでも人によって差が出てきます。
お手入れの方法を誤れば本来の効果が発揮されず意味がなかったり、また逆に楽器を壊してしまう可能性すらあるのです。
楽器の保証書にはよく以下のようなことが記載されています。
・正しい使用方法で使用して起こる故障
・保証規定に基づき...
・取扱書の注意書きに沿った正しい使用状態で生じた...
上記の意味はズバリ ほとんどの場合が保証対象ではないということです。
どんなに正しいお手入れを主張していても使用における状態変化に伴う故障は無効なのです。
参考までにではどんなことが自然故障と認められるかと言うと、はんだ・ろう付けのはみ出し、すき、飛びなどでこれによって正しく楽器が動作していないとメーカーが判断した場合です。
管楽器は繊細であり技術者が調整してこそ楽器の本来持つ精度が十分に発揮されます。
楽器の不具合はメーカー及び技術者が楽器の構造や部品を見てチェックできますので奏者が「吹きにくい」「音がならない」ということで不具合かどうかの判断は難しいです。
話が反れましたが、楽器の規格や機能に問題がない楽器において、使用後の故障は使用者の使用に伴って起こる状態変化で起きたものとなります。
よって正しいお手入れによって少しでも長く良い状態を保ちましょう。
▼クリーニングペーパーとは
パッドの水分を除去する和紙のようなあぶらとり紙のような紙です。メーカーによってはクリーンペーパーなど名前が少し違うものも存在します。これで水分を取らないとパッドが劣化し正しくキイをふさげなくなったり、パッドが破けてこれもまたキイをを塞げず息漏れがしたりします。また長時間の演奏中にも管体には水分が溜まりますので、音の鳴りが悪くなったり違和感を感じられる場合があります。
▼クリーニングペーパーの使い方
・水分を除去したいパッドと音孔の間にクリーニングペーパーを差し込む。
・対象のキィ(水分を除去したいパッド)を複数回押しパッドを開閉する。(5回ほどで良い)
・ペーパーの位置をずらして上記を繰り返す。クリーニングペーパーに水がつかなくなったら完了。
▼クリーニングペーパーを使うときの注意
・キィを閉じたまま、ペーパーを引っ張らない。パッドに摩擦が生じて、パッド破れや劣化が早まります。
・キイを強く閉めすぎない。演奏時にはかからないような負担をキイかけることは控えたほうがよいです。
▼クリーニングペーパーを使ってできること
・サックスのG#,LowC#キィにペーパーを挟んでケースに収納することでキィがくっついてしまい、開かなくなることを防ぐ。(湿気の多い夏場の対策に良い。但し入れっぱなしで放置しない。新しいペーパーを使用すること)
・下の歯に被せティースクッション(リッププロテクト)のように使用することで下の前歯で唇の裏側が痛くなることを防ぐ。但し、使用できるペーパーは耐水性が高いものに限る。
▼選ぶポイント
・サイズ...残念ながら何センチなどといった情報をあまりメーカーでは公表されていません。ただ大体同じくらいのサイズで、また1回の使用で1枚がビチャビチャになることもあまりないのでサイズより枚数重視が良いかも。(個人的意見)パールフルートからはハーフサイズなども出ています。
・枚数...サイズは表記なくても枚数は書かれている場合が多く、60枚から100枚ほどが一般的です。
・耐水性...ティースクッションにしやすいものとしてはギャラックスのクリーンペーパーなどが有名。
・吸水性...吸水性が高いのは本来耐水性、強度とは相反するものでもあります。吸水性が高いということだけでは破れやすかったりしますのでパッドにペーパーが残ってしまうなどが起こってしまいます。ただのあぶらとり紙とは違う理由がここ。強度があり、破れにくさがあるバランスが良いものがおすすめです。
・強度...ヤマハを基準として品質が良いと言われているものがギャラックス、パールフルートなどです。(スタッフ主観/個人差あり)