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管楽器-Q サックス よくあるトラブル
サックス よくあるトラブル
●息が入らない。 マウスピース単品、その後 ネックに付ける、楽器を付けると段階を経て問題点を探して下さい。リードとマウスピースの隙間がないとリードは振動しませんので、リードに圧力を加えすぎてそもそも息が入っていないということもあると思います。息が入らないというのは構造的にありえません。薄いリードを浅く咥えるとリードが撓ってマウスピースとの隙間を狭めてしまって息が入らないなども考えられます。リードの厚さを変えることも視野に入れて良いかもしれませんが、咥え方分なども吟味して下さい。
●息が入るだけで音にならない。 リードに割れがあれば、新しいリードに変えて下さい。例えば楽器を買ったときについてくる付属のリードだけではなく、複数枚使って試すことも重要です。リードには鳴らしやすい鳴らしにくいがあります。「ピーッ！」とか「キーッ！」とかという甲高い音がなってしまう場合は、それはリードミスといって、リードの振動がうまくできていない証拠です。中には最初から割れてしまっているものもあるかもしれません。リードに問題がなければ、まずはマウスピース単品でしっかりリードを振動させることができているか確認しましょう。それができたら楽器をつけて音を出しますが、運指は何もおさえないのがならしやすい音ですので、右手は親指のみ(サムレストにかける)、左手も親指(拇指大)のみで息を入れてみて下さい。サックスの音孔はキイを触らなくともあいている箇所と、キイを押さえてあくキイがあります。ですので何も押さえずして音が鳴らない場合、楽器の上の方のポジションで本来閉じているキイが故障してあいてしまっているなどがない限り音が鳴らないということはないと思われます。
●高音がならない 高音全体が「ならない」「ならしにくい」場合には、息のスピードが足りていない可能性があります。咥え方や息の入れ方でも影響します。本来の高音ではなく、そのオクターブくらい低いノイズが混じった変な音が出るときが吹けてないときです。高音でピッチが段々下がってきてしまう方はまだまだ正しい息のコントロールができてない傾向があると思います。低音には低音の吹き方、高音には高音の吹き方があります。そこは要練習ですね。 また、オクターブ上のレ、ミ、ファ、ソが鳴らない場合は、管体側のパッドがしっかりと開いているかを確認してください。楽器上面で、水分が多く部分の上、小さくパッドが貼りつきやすいです。貼りついてしまうと、この部分のキィが開かずオクターブ上のレ、ミ、ファ、ソが出ない状態になります。 クリーニングペーパーでの掃除を普段からきっちり行うことで、貼りつきにくくなります。詳細は下記の「●特定の音だけが鳴らない」をご確認ください。
●低音がならない 低音が鳴らないのではなく、高音が鳴ってしまっている状態であり、これはサックスにおいてかなりの頻度で起こるトラブルでもあります。要は吹き方の問題が多いということ。下の項目「オクターブ上の音が鳴る」をご確認下さい。
●特定の音だけがならない 構造上、トラブルが起きやすいキイ(運指)、鳴らしにくい音が存在します。例えばキイの部品が1つのパーツで形成されているより2つで形成されているキイの方がパッドが音孔に張り付きやすかったりします。組み立ての際にひっかかりやすい場所などもありますよね。 ・出ない音のキイが本来の動作で動いているかを確認して下さい。その前後の音、またオクターブキイを使用した音においても確認して下さい。その状況によって原因が特定できる場合もあると思います。 ・パッド(タンポ)は普段ちゃんとお手入れしているでしょうか。クリーニングペーパーで水分をしっかり取るお手入れは何気ないお手入れではありますが、日々の積み重ねで結果タンポがベタベタになってしまった時点で手遅れになることもあります。梅雨の時期などの湿気によっても貼りつきやすかったりなどもあります。鳴らない音に関連するパッドにパウダーペーパーを使用し状態を確認してみて下さい。但し、頻繁に使用することはお勧めしません。また、改善されたとしても一時的であればパッドの交換が必要な状態かもしれません。 ・トラブルが起きやすいキイとして２つのパーツで形成されているキイは以下の通りです。G#キィ、LoｗC#キィ、サイドCキィ、サイドB♭キィ、HighF#キィ、Lowオクターブキィ ・衣服などにひっかかってしまいやすいキイ...サイドB♭キィ、サイドF#キィ、E♭キィ、LowCキィ、テーブルキィ ・組み立て時にうっかり歪ませてしまいやすいキイ...ネックオクターブキィ ・楽器特有の鳴らしにくい音...最低音(シ)、2オクターブ上のミ、2オクターブ上のファ、2オクターブ上のソ、2オクターブ上のソ#(最高音)
連動が崩れている部分があるかもしれません。まずはキィの後ろに貼ってある軟物(フェルトやコルク)が剥がれていないか、劣化して潰れていないか確認してください。ネジが緩み、連動の崩れている可能性がありますが技術者でなければなかなか見つけにくいと思います。１つづつの運指を確認し、動くべきパーツがちゃんと動いているか、またそれによって音孔が閉まっているか、隙間がないかを確認して下さい。隙間があれば息漏れによって音が鳴りにくいことが考えれます。またパッドの表面が破れていないか、パッド自体が固くなっていないか確認してください。ただ、1、2年調整せずに使用しているとすればネジは相当緩んでいると思われますので、１箇所だけではなく全体の少しづつの状態の崩れによって特定の箇所だけに異常が発生している場合もあります。故障までいかずとも技術調整を必要とする状態でありメンテナンスに出す必要があると思われます。
●バネ外れ サックス１本に数十本使われている数センチほどの鉄の細い棒は各パーツの凹凸に引っかかっているだけで機能しています。何らかのタイミングで気づかぬうちにそれが本来の場所から外れてしまうことがあります。バネ自体が変形していない場合かけなおせば済むのですが外れた時点でバネには負荷がかかっていますので、元に戻す行為で悪化する可能性もあります。技術者に状態確認をお願いして対処を行う必要があります。 別ページで状態などを詳しく解説していますのでそちらもご確認下さい。
ネックコルクが1センチくらい余る位置でマウスピースが入っていることが理想ですが楽器全体の音程が高くなり過ぎる場合はマウスピースを手前側に抜き、音が低い場合はマウスピースを深めに差し込みます。
●チューナーの設定 適切なチューナーの設定をしておらず、音程が合わない、合っていないと勘違いされている場合があります。チューナーのHzの設定値は440Hz～442Hzが一般的です。(バロック音楽など演奏する曲によって変わります。) 管楽器の特徴として気温が暑くなると音程が高くなり、気温が低くなると音程が低くなる傾向にありますので、夏場などの暑い時期は442Hz、冬場などの寒い時期は440Hzで設定することもあります。(必ずしもそのようにするという決まりはないです) ほとんどのチューナーはドイツ音名(C,Dなど)で表示されますので「ド」などとは表示されませんよね。その楽器の「ド」の音は、他の楽器の「ド」と必ずしも同じ音ではないからです。 一般的にチューニングで使用する基準の音はヘルツ数同様、第三者と合わせる際に変わることがあり、例えば、オーケストラやクラシック、他軽音楽などではA(ファ)、吹奏楽ではB♭(ソ♭)で確認したりします。例えばアルトサックスを吹奏楽で吹く場合、チューナーの設定を442Hzにし、運指をソ♭(左手の人差し指+中指+薬指と右手中指)で音を出し、チューナーの表示がB♭(A♯)になっていることを確認しチューニングするといったような感じです。管楽器の殆どは楽器と吹き方で調整できますが、ピアノなど一部楽器はその場で調律できませんので、変えられない楽器にヘルツ数を合わせてチューニングをすることもあります。
〜チューナーに表示される表記について〜 <アルトサックス/バリトンサックスの場合> ド = D#/E♭ レ = F ミ = G ファ = G#/A♭ ソ♭ = A#/B♭ ソ = B ラ = C シ = D
<テナーサックス/ソプラノサックスの場合> ド = A#/B♭ レ = C ミ = D ファ = D#/E♭ ソ = F ラ = G シ = A
<運指>
ド (左手の人差し指 + 中指 + 薬指 と 右手の指全て)
ソ♭ (左手の人差し指 + 中指 + 薬指 と 右手の中指)
ヤマハやセルマーなどは一つ一つのキィの開き具合が決まっていますが、中国製の安価な楽器は音程について細かく設定していることはあまりありません。いわゆる精度などの面でも音程がとりずらいことがあります。判断は非常に難しいのですが、何かの拍子にキィが歪み、通常より開いてしまっている場合もあるかもしれません。基準値より開きすぎると高くなり、狭すぎると低くなります。精度が低い楽器の場合、このバランスがうまく取れないことでどうがんばっても開き過ぎたり、狭すぎたりなどが起こることがあります。不具合かどうかの目安としては連なっているキイと比べてみて開き具合が違う場合はその可能性が高いかもしれません。キィの後ろに貼ってある軟物(フェルトやコルク)が剥がれてキィが通常より開いてしまっていることもあります。
収納時にジョイントキャップを使用していますか？装着しないと収納時には閉めネジの止める具合も分かりませんので閉めすぎてネジを締めソケット部分が歪んでしまう可能性があります。さらにケースに入れた状態であっても外側からの衝撃で嵌合部分が変形してしまうことではまらないこともあります。ジョイントキャップはオクターブキイの連絡バーが破損しないようにするためにも重要な役割を果たしています。残念ながら落としてしまったりぶつけてしまったら、恐らくまず修理いきだと思います。
まずは楽器の構造上、そのキイが本来開いた状態で、特定のキイを押すことで閉まるものであるのかどうかを確認して下さい。本来の動きではない状態であればキィ自体が歪んでしまい、連動が崩れている場合があります。組み立て時にうっかり触ってしまった、また何らかの衝撃や衣服にひっかかるなど、気づかぬうちに歪ませてしまっていることも多いに考えられます。技術調整、修理を必要とする状態です。 ●吹き方の問題 オクターブキイを使用しない場合と使用する場合では、ある程度 吹き方の切り替えが必要となります。一見楽器の不具合かと思いがちですが、実際には吹き方に問題があることが多いです。寒い日に手が冷たくなってしまって自分の息でハァ〜と手を温めるときに使う息遣いのように息の量はたっぷりと、そしてゆっくりと息を送り込む感じで低音を出します。低音が裏返ってしまう場合のほとんどが息のスピードが早すぎることが原因です。オクターブの切り替えができる音から１音づつじっくりと下の音階に下げていって練習しましょう。吹けない状態でありながら、いきなり最低音を鳴らしてもダメです。出来る音から１つ下げ、その音がまず鳴らせるようになって、また１つ音程を下げるという感じで根気よく練習して下さい。息の送り込みの重要部分であるマウスピースを咥えすぎても裏返りやすいですし、リードが薄くてもリードミス(ピヤッと高音が鳴る)しやすいので、セッティングを変えたり、リードを変えるということも非常に重要になります。
●セッティングの問題 ネックやネックオクターブキィは曲がり易くセッティングの際は注意が必要となります。またネックを自分が吹きやすい方に向けたり、いつのまにか正しいポジションからズレてしまっていたりすることもよくあります。 ・オクターブ連結棒にネックオクターブキイのU字の真ん中がくるポジションが正しい位置です。正しい位置で構えていればネックはオクターブ連絡棒とネック裏側の出っ張り(ネックを補強しているパーツ)が一直線上にある状態となります。 ・ネックを挿してからスクリューのネジを軽く締め、その後に上記正しいポジションにした上で再度しっかりと締めましょう。あまりにも演奏時にネックが動いてしまう場合にはスクリュー部分が緩んでいることがあります。その場合は技術者による修理が必要となります。 ・ネックオクターブキィとオクターブ連絡棒の間(赤丸の部分)には1mm〜2mm程の隙間が必要です。調整された楽器は必ずここに隙間があります。この隙間が無い場合、ネックオクターブキィがずっと開いている状態になり、音が正常に出なくなります。(高いソから下すべての音)隙間がなくてもネックオクターブキィが閉じているという状態でも、ド(左手中指のみの運指)から高いレの移行時など、オクターブキィを押した際に、一瞬ネック側のオクターブキィが開きしっかりと発音できない状態になる場合があります。既に隙間が無い場合は技術者による修正が必要となります。
●ネックの問題 ネックにはネックオクターブキィという細いキィがついています。このキィはとても曲がり易い為、注意が必要となる部分です。いつのまにか曲げてしまっていることも少なくありません。ネックを持つ際はオクターブキィを極力触らないようにして装着しましょう。またネックはコルク側が細くなっていますので、楽器装着時にそちら側に力をかけるとネック自体が歪んでしまうことにもなるので注意が必要です。日頃、以下の画像の赤い部分に上から手を被せて組み立てをされておられる場合、ネックオクターブキイが既に歪んでしまっている可能性もあるかもしれません。尚、マウスピースの装着はネックを本体から外している状態で行ってください。ネック本体に付いている状態でマウスピースを装着するとネックのカーブしている部分に負担がかかり、ネック自体が曲がってしまう可能性が高いです。ネック自体が曲がることによってオクターブキィが穴を塞げなくなりオクターブ上の音が鳴ってしまう原因となります。
▼低音がビリビリとなる また楽器の振動によってネジが緩んでしまうことがあります。これは楽器が共鳴している証拠ですのでその現象自体は不具合ではありません。管楽器が定期メンテナンスを推奨されている理由はこいうところからでもあります。ネジの緩みは楽器全体で起きることですが、キィガードのネジは外側にあるため紛失しやすいネジでもあります。ネジが完全に取れてしまうとキィガードがしっかりと固定できずに音が鳴ってしまいます。(金属音のようなビーッという大きな音) さらに溶接部分がしっかり固定されていない場合にも音が鳴ってしまうことがあります。キィを支えているパーツ(支柱)の溶接されている部分に過度な力がかかったり、劣化し腐食することで完全に取れたり、ひびが入ってしまうことがあります。ネジについては取り付けるのみで解決できることもありますが、溶接については修理を必要とする部分です。
接着剤は時間が経つと接着力が弱くなってしまいます。また、コルクは経年劣化でしぼんでしまいます。新品の楽器だときつくて装着に四苦八苦することがあると思いますが、コルクはしぼむ事を想定して少しきつめ(大きめ)につくられています。この状態でジャズ系のマウスピースなんてつけようと思うとしたらまず入りません。(マウスピースによって違いあり)よってマウスピースの装着が緩くなってしまったのであれば、ネックのコルクは交換時期かもしれません。コルク交換は簡単なように思いますが、基本的には技術者が行う技術力が必要となる作業なのです。貼り方には手順があり、その手順をしっかりと行わないとすぐに剝がれてしまう場合があります。ご自身でやるにしろ臨時的なものであり恐らく長期間は持たないでしょう。技術者がコルクを装着する際には、基本的にはゴム系の接着剤を使用することが多いです。(使用する方によってはシェラックと呼ばれる接着剤を使われる方がいます。)樹脂製の接着剤は楽器の装着によく使用される接着剤で強度はそこまで高くありませんが、接着剤を吸収されにくく、コルク自体の柔らかさを保つことができ最適です。アロンアルフアなど接着力のの接着剤を使うとコルク交換の際に接着剤の取り除きが難しくなったり、接着剤を吸収しコルク自体が固くなってしまいます。
また新しいからといってコルクに問題が起こらないかと言えばそうではありません。コルクにはコルクグリスを塗りますが、接着剤にコルクグリスの成分が浸透することで劣化し剥がれてしまうことがあります。あまりにマウスピースの装着がきついからといってグリスを大量に塗って楽器に長時間しまうなどしてしまったら、新しい楽器でもコルクが劣化することもあり得ます。またコルクは天然ですので品質の状態が安定しずらいことが特徴です。ネックコルクはなるべく良い状態のものを取り付けるのが一般的ですが、コルクの「す」と呼ばれる穴が多いものなどはそこから剥がれてしまうこともございます。個体差もありこれについては致し方ありません。またマウスピースの装着においてコルクを痛めてしまうこともあると思います。入らないからといって力ずくで一気に入れたもんならコルクが剥がれてしまいます。コルクは全体が均等になっていないとダメですので一部分でも剥がれてしまった際には新しいコルクへの交換が必要となります。 ▼パーツの破損 楽器の精度が悪いとパーツ自体の強度や溶接の甘さなどでパーツが取れてしまうこともなくはないですが、基本的にはそう簡単に取れるものでもないと思います。ですが、劣化はしますし、また使い方次第で結構持ちは変わってくるものです。特に取れやすい部分が以下のような部分ですので日頃からあまり負荷を掛けずに使用するように気をつけておきましょう。
●ベル下側
●テーブルキイ
●ストラップリング |
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