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管楽器-Q サックスのニードルスプリング/バネ外れサックスのバネ外れ
▼バネとは サックス1本に数十本使われている数センチほどの鉄の細い棒でこれを「ニードルスプリング」と言います。針バネなどとも呼ばれます。
▼バネ外れはなぜ起きるか サックスには色々なパーツが使われていますが、案外簡単に外れてしまったりする部分があります。バネは使われている場所などによっても細さや長さが違っており、取れやすい箇所もあります。メーカーや機種、または個体差など比較すると中でもより「取れやすい」ものも存在しているのは事実ですが、そもそもサックスの構造として「案外簡単に取れるもの」であることを理解していない奏者は多いです。さらにそれを楽器の不具合だと思っている方もおられるようです。バネ外れた状態に気づき、勝手に取れたとお思いの方もおられるかもしれませんが何かしらの負荷がかかった場合がほとんどで、演奏をするためにキイを動かした動作で取れるものではありません。細長い棒がひっかかっているだけでそれが撓る動きをするパーツですので、不意に衣服やクロスや指が引っかかってしまった行為で簡単に取れてしまうのです。
▼バネの素材と精度 バネの素材は個体によって違いがあります。ただし、設計によってひっかかり具合はメーカーか機種によっても若干違いがあり、ここについては精度の高いものがよりしっかりひっかっているものでもないと思います。素材自体の強度とちょっと当たってしまってバネが外れてしまうトラブルとは違うということです。機種によって強度が強いパーツを使っていても取れやすい設計(そうしたくてしているということではなくあくまで取れにくいモデルを主として比較した場合にの話)のものもありますし、弱いパーツを使っていてもかなりしっかりひっかかっている状態の機種もあります。こんなに細かい部分でそもそも楽器を選ぶ要素にはならないと思いますので、上位モデルを買ったからといって簡単に取れてしまうトラブルを避けることにはなりません。
▼バネが取れてしまったときには 一見ただひっかかっているだけなので元に戻してしまえば良い、と簡単に思ってしまうかもしれませんが、さらにひどい状態になってしまう可能性もあるので注意が必要です。まず取れてしまった時点で多少なりとも負荷がかかっていると考えられますので、元の状態からは既に変化してしまっているとみてください。ただ単に真っ直ぐの棒が溝やU字部分にかけられているのではなく、可動する方向や状態に合わせ撓らせてあるパーツが適度な強さを保ちバランスを取ってある状態なのです。技術者はそのバネを所定の位置にかけるまえにキイの状態や方向、強度を調整し、最後にその場所にかけて仕上げます。全ての状態が成立しはじめて機能するものですので、取れたものを元に戻しただけでは同じようにまた取れてしまい、さらにバネの変形は悪化してしまいます。取れた場合にはそのままの状態を技術者に確認してもらい、元のバネ自体形状に異常がなければ指導のうえ元の位置に戻すことを指示されるかもしれません。専用工具があるくらいですし、付けるときにツルっと滑ってしまってうまくかけられないなどが起こることもあり注意が必要となります。
▼その他のバネに関する症状 バネは支柱に開いている穴に刺さっている形で固定されており、使用しているうちにバネを固定している部分の穴が広がるなどで緩んでしまう際は、再度バネを固定しなおすまたはバネ自体を交換する必要があります。その場合は技術者による修理が必要になります。また、経年劣化によりバネが錆びてしまったり、引っかかって取れて際に折れてしまった場合は支柱に残ったバネの除去と、新しいバネへの交換と調整が必要となります。その場合は技術者による修理が必要になります。 |