プラスチック管楽器の違い(ピストン系)

プラスチック管楽器の違い(トランペット/コルネット等)

管楽器は主にブラス(真鍮)でできています。

プラスチックの楽器は何社かありますが、見た目は似ていて、管体素材だけが違うのでは...？と思われる方も多いかもしれません。

練習用に良いかも、子供用にいいかも、と思ってご購入される方も多いです。

ですが、実は操作性はもちろん、お手入れの方法も違う場合があります。

違いがあまり分かっていないと、思ってたのと違う...といったことになるかもしれませんのでご購入前に違いをある程度ご理解いただいたうえでご購入されることをおすすめします。

以下は2024年7月現在の情報につき、以降仕様変更などが起こる可能性がございます。

なお、PINSTRUMENTSの "hyTech" の情報は以下情報に含まれておりません。

■プラスチック楽器のブランド

＊ZO ゼットオー...楽器の種類が多く、より本物に近い使用方法が可能。つくりはかなり粗くヒビなども多い。

＊PINSTRUMENTS  ピーインスゥルメンツ...本物と違う部分はより工夫されている部分でもありその分耐久性などには比較的強い印象。ZOに比較するとまだきれいめ。

■使用方法
ブラス製...ピストンにはバルブオイル、抜き差し管にはスライドグリス使用
＊ZO...使用せずでも使えるが、使った方が操作性が良くなる。バルブオイル、スライドグリス使用可能
＊PINSTRUMENTS...オイルやグリスの成分によってはひび割れを起こす可能性があるため使用不可。

■お手入れ方法と修理
ブラス製...演奏後は水分を取る、定期的に楽器を分解して細かい部分のメンテナンスを行う。状態が悪くなったと感じたら技術者による調整が可能。
＊ZO...演奏後は水分を取る。ピストンも本物同様に取り外しが可能。(本物より分解できる箇所が少ない)定期的に楽器を分解して細かい部分のメンテナンスを行う。とはいえブラスよりは神経質にならなくても良い。
＊PINSTRUMENTS...演奏後は水分を取る。本物のようには分解ができない。油分を使用しないので、汚れやホコリを取り除く程度が基本のお手入れ。

■操作性
ブラス製...ピストンは主にモネル合金、ステンレス等の金属が使用されており高額な楽器はよりシビアに調整されています。ピストンの戻りの良さは精度の違いによって大きく違います。ただ最安(3万程度)の楽器であってもプラスチックよりはまだ操作性は良い。
＊ZO...ピストンはアルミ削り出し。金属を使用している分、本物に近い使用感ではあるがシャリシャリ感があり、早い動作にはついてこれない。
＊PINSTRUMENTS...プラスチックのピストンなので、重い感じ、戻りが悪い感じがある。シャリシャリという音もひどい。早い動作にはついてこれない。(ZOよりひどい)オイルをつけない楽器としたらこれが限界(?)

※3つのピストンで音色を変える楽器にとって一番重要な動きが必要とされるピストン。素材が違うのでそもそも同じ動きはできるはずもありません...趣味で音楽をマイペースに演奏する程度で楽しむことはできると思いますが、メインの楽器に対しサブの練習用楽器としてはおすすめしません。

■音程感
ブラス製...主管で楽器全体のチューニングが可能、第1、2，3抜差管が抜ける仕様。モデルによってはトリガー付きで第1、3抜差管を演奏中に操作し音程を微調整できる。
＊ZO...主管で楽器全体のチューニングが可能。第1、2，3抜差管抜けるがトリガーがなく、精度悪く動きにくいので第1、3抜差管での演奏中の音程調節は不可。
＊PINSTRUMENTS...主管で楽器全体のチューニングが可能。第1、3抜差管は抜けるが第2抜差管は抜けない。ZO同様第1、3抜差管での演奏中の音程調節は不可。

※そもそも管楽器のピッチは吹き方で調整するものですが、トリガー付き楽器であればそれをより簡易的に行うことができ、また楽器の精度が良ければ元々安定したピッチである可能性が高いです。

つまり、楽器の精度が悪ければその楽器の特徴でもある部分はより顕著に表れるため、その分、演奏には技術力が必要になるということになります。こども用、初心者用ではないというところはこういった部分です。

■耐久性

ブラス製...ある程度は耐久性がある。大きな衝撃によって凹んだり破損したりする。価格は高いが多くの場合技術者による修理も可能。
＊ZO...国内入荷時点で割れなども多い。修繕して楽器として機能できる範囲まで精度を高めている。衝撃に弱く破損し易い。メーカー修理は実質できないようなもの。できても接着剤での接着程度。
＊PINSTRUMENTS...ZOに比較すると少しきれいではある。見栄えは悪いが各パーツが太めなので、その分ZOよりはまだ耐久性がある。メーカー修理は実質できないようなもの。できても接着剤での接着程度。
 

■マウスピース

ブラス製...基本的にはブラス製のマウスピースを使用。稀にアレルギーなどの問題によってそれ以外の素材を使用する方もおられます。
＊ZO...プラスチック製が付属。ブラスより唇への密着感がなく場合によっては吹きにくいです。別途ブラス製マウスピースもご使用いただけます。(装着できないマウスピースもあり)
＊PINSTRUMENTS...プラスチック製が付属。ブラスより唇への密着感がなく場合によっては吹きにくいです。モデルによって2個ついてるモデルもあるので吹き比べはできるかも。別途ブラス製マウスピースもご使用いただけます。(装着できないマウスピースもあり)

■音色

ブラス製...明るい音色。精度が低いほどこもったような音になり音に艶がなくなる。良い楽器は音量と音質の幅がより広いです。

＊ZO...音はこもりがち。音抜けも悪い。ブラスよりは音量はでないはず。
＊PINSTRUMENTS...ZOよりもっとこもりがち。音抜けも悪い。ブラスよりは音量はでないはず。