管楽器 ヤマハ バルブオイル種類について
ヤマハのバルブオイルは4種類あります。(2024年3月時点)
どれも同じようにみえて、実はオイルの粘度が異なります。
その楽器、楽器の状態に合った粘度のバルブオイルを使うことでよりピストンの動きがより適正な動きを発揮できたり、
またピストンの摩耗、サビから守ることができます。
粘度の違いによる特徴
●粘度の低いオイル
新品の楽器、またクリアランスが狭い楽器におすすめ。また特別に速いパッセージ(旋律音の急速な上下)を演奏する機会が多い人にもおすすめ。
ただし粘度が低い分、流れてしまいやすいのでオイルは切れてしまいやすく、また乾きやすいためオイルをさす頻度は高め。
●粘度の高いオイル
クリアランスの広い楽器、また長期間使用していてクリアランスが減ってきてしまっている楽器におすすめ。
オイルの粘度が高い分、オイルはケーシング内に留まりやすく、乾きにくいため効果が持続しやすい。
クリアランスが狭い楽器に使うとピストンの動きが重くなることがあるので要注意。
クリアランスとは...?
ピストンとバルブケーシング内にある隙間のことをクリアランスと呼びます。
選ぶポイント
低
↑ VOSPL3 スーパーライト:粘度が大変低く、アドリブなど特別に速いパッセージの演奏に適したオイルです。ピッコロトランペットなど高音での演奏が求められる特殊管にもお勧め。
| VOL3 ライト:特別に早い動きを必要とするジャズ奏者やXenoモデル等ピストンクリアランスの小さい楽器用。
| VOR3 レギュラー:通常使用の奏者やスタンダードモデル等ピストンクリアランスが中庸の楽器用
↓ VOV3 ビンテージ:長期間愛用しピストンクリアランスが大きくなった楽器、ユーフォニアムやチューバなどの低音楽器用。
高
選び方の例 ※あくまで一例であり、好みや環境によります。
*ユーフォニアム、チューバ以外のヤマハ以上の新品の一般的なピストン楽器...基本的にレギュラー。オイル切れの対策などでのビンテージ使用もおすすめではない。
*ユーフォニアム、チューバ以外の精度の低いピストン楽器...場合のよってビンテージの使用も検討。
*ピッコロトランペット...レギュラーでも特別問題はないが、クリアランスが小さい物が多く、また高音を吹く際の抵抗感を減らすためにもライトかスーパーライトの方がおすすめ。
*特殊管トランペット(D/E♭管など)...レギュラーでも特別問題はないが、クリアランスが小さい物が多く、また高音を吹く際の抵抗感を減らすためにもライトかスーパーライトの方がおすすめ。
*フリューゲルホルン...一般的にはレギュラー。早い演奏や精度の高い高級楽器をお使いの方でレスポンスを気にされる方はライトでも良いかも。
*コルネット...一般的にはレギュラー。早い演奏や精度の高い高級楽器をお使いの方でレスポンスを気にされる方はライトでも良いかも。
*ピストントロンボーン...一般的にはレギュラー。ただクリアランスがやや大きい場合はビンテージもおすすめ。
*アルトホルン...一般的にはレギュラー。早い演奏や精度の高い高級楽器をお使いの方でレスポンスを気にされる方はライトでも良いかも。
*トランペット...一般的にはレギュラー。早い演奏や精度の高い高級楽器をお使いの方でレスポンスを気にされる方はライトでも良いかも。
*C管トランペット...B♭管トランペットと同じくレギュラーか、またはヤマハのC管トランペットであればC管トランペットはXenoモデルなのでライトがおすすめ。
*プラスチックトランペット...一般的にはレギュラー。精度は高くないのでライトにしても早い演奏ができるわけではない傾向。
*ユーフォニアム...ビンテージ。ビンテージがやや重たいと感じる場合もあり、その場合はレギュラーにしてみてもいいかも。
*チューバ...ビンテージ。新品の楽器でビンテージを使って重たいなと感じる方はレギュラーにしてみてもいいかも。
その他の情報
注油の仕方
バルブケーシングの笠のネジを外し、ピストンを回さずにまっすぐ途中までゆっくりと抜きます。その状態でピストンバルブオイルを2~3滴注油。
それから再び笠のネジを締めて、オイルがなじむように2~3回ピストンを上下させてください。
お手入れについて
バルブオイルは、楽器を洗ってから次回洗うまでの間は1種類のものを使用するほうがよいでしょう。
ですので、バルブオイルの種類を替える場合には、ピストン及びバルブケーシング内の古いオイルを洗うまたはふき取るなどして除去して下さい。そうすることで新しいオイルの性能を発揮できます。
ものにもよりますが、混ざることにより粘りが発生したりはじいたりということが発生し、本来のオイルの性能を発揮できない場合があります。同一の会社の商品の場合も同様で、たとえばヤマハバルブオイルとヤマハバルブオイルライトは、基本成分は同じですが、微量の添加剤等が異なります。
できれば古いオイルをふき取ったり、洗ったりすることをお勧めします。例えば、せっかくオイルの性質がサラサラなものでも元々粘度が高いものを使っていてそのまま追加しても本来のサラサラは感じられない、ということになったりしますので注意です。
ピストンが動かない、などのトラブルにおいてもオイルのトラブル、ホコリのトラブルが多いのでお手入れは重要です。