一部のプラスチックトロンボーンにおいて当店では検品と調整をして出荷しています。
▼ご注意
・全ての製品では行っておりません。とくに問題が見受けられる特定のブランドを主に行っております。ブランドZOのトロンボーンでは全て検品と調整をしています。
・弊社のプラスチック楽器のアウトレット表記にはこのような調整が必要となるものにおいてあえてアウトレットと表記している場合があります。正規販売ルートであれば基本的に通常市場に出回る製品と同じものです。
・一般的な管楽器のように製品保証はございません。
▼プラスチック管楽器を検品調整する理由
・海外からの輸入品につき入荷時点で各パーツにヒビなどが見受けられる
・本来のブラス製の管楽器と違い、ピストンなどの可動する箇所の処理があまくスムーズな動きができない
・オイルやグリスが固着すると、その部分を可動させるために力を加えることでパーツの破損の恐れがある
・精度が悪くネジ溝がつぶれていたり、ネジ溝部分にプラスチックの削りカスが入っているなどが見受けられるため、本来スムーズに可動すべき箇所が動きにくい
▼通常の検品内容
■テナートロンボーン
・全抜差し管 脱着確認
・全抜差し管 掃除
・全抜差し管 グリス追加
・スライド 動作確認
・スライド内管・外管 掃除
・ウォーターキィ 動作確認(バネ折れ確認とゴムの接着確認)
・マウスピース 装着確認
・ベルセクションとスライドの脱着確認
・本体全体+マウスピース 外観 割れやヒビ確認
■テナーバストロンボーン
上記テナートロンボーンの内容に以下の内容を追加して確認を行っております。
・ロータリー動作確認(テナーバストロンボーンのみ)
・ロータリー 分解掃除(テナーバストロンボーンのみ)
・ロータリー オイル追加(テナーバストロンボーンのみ)
▼具体的な処置事例
■テナートロンボーン
●抜差管 固着
固着している抜差管を支点として力を加えて抜く。両方固まっているときは片方だけに力が加わらないように交互に繰り返す。第2抜差し管などの小さいものはクロスを通してクロスごと引っ張る。ある意味力技です。
●抜差管 抜きづらい場合
・掃除...抜差し管内管部分についている古いグリスをガーゼで拭き取る。本体枝管側はクリーニングロッドにガーゼを巻いたものを枝管に入れて古いグリスを拭き取る。
・本体枝管内部調整...突起などがある場合、鉄工やすりで削る。
●抜差管 緩すぎる場合
・グリスをウルトラハードグリス(重いグリス)に変更してみる。
・抜差管内管(うちくだ)部分全体にテープなどを使用し厚みを持たせる。
●スライド外管 接着外れ
・スライドの持ち手部分と、スライドの外管部分が外れていることがあります。プラスチック用接着剤(例:タミヤセメント など)で接着します。
●スライド内管 接着外れ
・スライドの内管の根元部分が外れていることがあります。スライド外管と同様にプラスチック用の接着剤を使用し接着します。
●ウォーターキィバネ折れ
・パーツ交換
●ウォーターキィゴム接着取れ
・接着...ゴム系溶剤形接着剤を使用して接着。(例:コニシ G17 など)
●外観 割れ・ヒビ
・軽度の場合...プラスチック用接着剤(例:タミヤセメント など)で接着。
・重度の場合…例えばパーツが破損し尚且つ欠損している場合には本来のパーツとなる部分に瞬間接着剤(例:アロンアルファ など)と硬化促進剤を使い固形物をつくり埋め込む。
■テナーバストロンボーン
上記テナートロンボーンの内容に以下の内容を追加して確認を行っております。
●ローターキャップ 固着
・ゴム手袋など滑りにくい素材を使用して開ける。それでも開かない場合はローハイドハンマー(革製のハンマー)でキャップ部分を叩き、衝撃を与える。それでもダメな場合には蓋の内側から当て木をしてハンマーで衝撃を与える。ペンチ等でキャップを挟みそのまま回す。
※上記衝撃を与える場合にはプラスチックが破損する可能性が高いためメーカーでは推奨しておりません。個人で行われる場合には自己責任で行って下さい。
※キャップについては、最初は問題なくても使用していてあかなくなることもあります。しっかりしめずに軽くしめてご使用下さい。
●ロータがスムーズに動かない
・掃除...ガーゼでローターケーシング内部の異物と古いオイルの除去する。
・ローターとケーシング内部研磨...ペースト状の細かい研磨剤をピストンに付け、ケーシングに入れ込む。入れ込んだ後はローターを動かし研磨する。