ホルンについて

▼ホルンの種類
■B♭シングル
・シンプルなつくり
・価格が安い
・楽器は軽め
・巻きがシンプルなので軽めの吹奏感。
・B♭調。F管より4度高い
・楽譜はinFで記されるため読み替えが必要な場合が多い
・明るく軽い吹奏感でアタックも明瞭
・高音もきれいに鳴りソロにもお勧め　

■Fシングル
・管が長い
・B♭シングルより高い
・B♭シングルより楽器は重い
・巻きが長いので高音のコントロールが難しい
・ホルンの基本となるF調(inF)
・楽譜を移調読みをせずそのまま楽譜通り演奏ができる場合が多い
・ナチュラル・ホルンに近い音色
・太く深みのある落ち着きのある豊かな音色

■F/B♭フルダブル
・B♭管とF管が組み合わさった構造
・価格は高い
・楽器も重い
・B♭とFが切り替えられるので音域～中音域ではBb管、中音域～低音域ではF管などといった使い方も可能
・B♭とF両方を持つ楽器ですので楽譜によって楽器側で変更することも可能
・B♭とFを切り替えて使用することによって音程、音色、正確性、パワーを臨機応変に使い分けることが可能
・ホルン奏者の多くが基本的にこのモデルを使用

▼ホルン選びのポイント
■シングルかダブルどちらにするか。(上記の通り)

■ベルのタイプ
・一体式(ワンピース)...ベルを取り外すことができない。明るい音色が特徴。
・デタッチャブルタイプ(ツーピース)...ベルが取り外すことができる。コンパクトになるために持ち運びが便利。深みのある音色で音のまとまりもあります。デタッチャブルが人気。

■素材の違い
素材の上にかける塗装によって同じような色に見えても実は素材が違っていたりします。素材となるブラス=真鍮とは銅と亜鉛を混ぜたもので、この配合率によって素材の強度や色が変わり、音色、吹奏感に違いがでます。銅の比率が上がるほど、音色に温かみが出ると言われます。
・イエローブラス...明るく、張りのある音色。多くはイエローブラスが主流です。銅が70％、亜鉛が30%。多くのものがイエローブラスです。
・ゴールドブラス...幅のある豊かな音色。銅が75～85％、亜鉛が15%～25%ほど。
・レッドブラス...より柔らかく落ち着いた音色。銅が85～90％、亜鉛が10%～15%ほど。より丸みのある音色に、深い響きを与えます。

■塗装の違い
ぱっと見はだいたい金か銀ですが、塗装の違いで濃いゴールド、薄いゴールドの違いがあったりもします。塗装の違いで音色や吹奏感にも違いがでてきます。
・クリアラッカー...透明なラッカーでパワフルで音抜けがよく艶やかな音色になる傾向です。
・ゴールドラッカー...クリアラッカーを混合してつくられており、濃いめのゴールドになります。大差はないですが、シャープで音の立ち上がりがよいと言われたりします。
・銀メッキ...ラッカーよりも塗装が薄いため、柔らかな音色になると言われています。やや抵抗感がりますので表現力を求める演奏にも向いています。主張も控え目になるためか吹奏楽では銀メッキで揃えることもあるようです。ホルンで銀メッキはあまり使用されません。
 

▼基本の調整について

ホルンの出荷前調整には以下のようなことを行っています。(メーカー直送は弊社では調整は行いません。あくまで弊社の場合。メーカーによっても若干の違いがあり。)
・レバーを押して、レバーとロータリーの動きに問題が無いか確認する。状態が悪い場合は分解し修正する。
・第1ロータリー、第2ロータリー、第3ロータリー、(第4ロータリー※B♭シングル、もしくはダブルのみ)にオイルを注油する
・ロータリーキャップを外して内蓋に問題がないか、ガイドが刻まれている場合にはガイドが正しい位置にあるか確認する。
・抜差し管がスムーズに動くかどうか確認する。(シングル4箇所、ダブル8箇所) 状態が悪い場合は平行度とピッチを修正する。
・抜差し管に必要であればグリスと追加する。また不要なグリスは拭き取る。
・溶接部分全ての箇所において半田が外れていないか確認する。必要ならば半田を追加する。
・ウォーターキィのコルクとバネの状態を見る。問題があればパーツ交換を行う。
・指掛けやレバーなどにネジがある場合にはネジの緩みを確認する。(無理には回さず、緩んでる部分のみ)
・試奏検品(音が鳴るか、レバー使用時の音の移り変わりなど)
・楽器をクロスで拭き上げし、指紋などの汚れ除去
・外観にキズなど異常がないか確認する

▼その他の調整について
ご要望があれば、以下のような調整も可能です。ご注文時、また御購入前にご相談下さい。
・ロータリー紐のほつれ防止(紐式モデルのみ。これは基本的に弊社からの出荷分は処理を行います。)
・レバーの高さの調整
・押しF調整

▼レバーの高さの調整について

シングル、ダブル共に御希望のセッティングが可能ですが、紐式タイプのホルンのみ可能となる調整となります。
あくまで基準があって手の大きさによって低くしたいな、といった場合になりますので体感した方しか御判断は難しいかもしれません。

御希望ありましたらご相談下さい。

▼押しF調整について

ダブルホルンのみ可能
・基本(御購入時)　第4レバーを押す→FからB♭になる
・押しF調整後　第4レバーを押す→B♭からFになる
初心者が最初に選ぶようなものではなく、必要性に応じての調整となります。
メリットとして手が疲れにくなるというもの。第4レバーをずっと押しっぱなしで演奏されていることが多い方には良いと思います。

運指の問題を抱えている方がご変更されることもあります。

機種によって紐式の場合にはパーツ代金が発生します。御希望ありましたらご相談下さい。