レコーディング作業において、マイクロフォンという機材は音楽的に必要不可欠な機材です。
ボーカルやギターなどの楽器集音は当然ながら、自然環境音や効果音などなど、二次的な利用においてもマイクロフォンは欠かせません。
マイクロフォンは「集音する機材」です。
従って、どんなマイクロフォンであってもそこに音があれば集音が可能です。
しかし、音楽的かつレコーディング(保存)という事ができるマイクロフォンとなると、求められる性能はシビアになり、ごく一部のマイクロフォンだけが利用され、注目を集めているという事が実状です。
最高の楽器や声を、最高の形でレコーディングするには、それに適したマイクロフォンが必要です。
周波数特性(F特)
マイクロフォンが持つ、周波数特性です。
そこにあるリアルな音が「フラット」であるとすれば、マイクの特性によりリアルなサウンドは味付けをされて信号となります。
DAW上での音作りを求めるのであればフラットな、録ってすぐに惹きつけられるサウンドが欲しければ特徴的なモデルを選ぶと良いでしょう。
周波数特性はあくまでも科学的な視点から捉えた音の特性であって、音の傾向を明確に示すものではありませんので、
ヴィンテージマイクやチューブマイクのように独特のサウンドの指標にはなりませんので、御注意下さい。
例:
ポーラーパターン
マイクの集音方向を示す目安が「ポーラーパターン(指向性)」です。
一方向に向くものをカーディオイド(単一指向)、正面と背面に向くものがフィギュア8(双指向)、全方向に向くものがオムニ(全指向)と呼ばれます。
例えば、ドラムセットの中の "スネアだけ" や、クワイヤやゴスペルで "特定の人物だけ" を狙いたいときには、カーディオイドを用います。
また、全体的なニュアンスも狙いたい場合にはオムニを用いる事もあるでしょう。
要するに集音対象とその環境に応じてポーラーパターンが選ばれるということです。
注意すべきは、指向性の「端」は周波数特性に強く影響が出る傾向があるという事です。
カーディオイドの隅、全指向の背面などは低域が薄れる、という事が起こりますので、あくまで目安として読み取りましょう。
SPL(耐音圧)
アンプやドラムなど、大音量のソースをレコーディングするとき重要なスペックです。
ダイナミックマイクはその構造上、高耐圧ですので気にかける必要はないでしょうが、コンデンサーマイクの場合は致命的な歪みを起こしかねない問題ですので要注意する必要があります。
目安としては、会話が60dB、グランドピアノの側が100dB、スネアドラムの側が110dBだそうです。
-130dB以上のスペックならスタックアンプやバスドラムでも使えるな、位の感じで良いと思います。
ただし、バスドラムやベースアンプは風圧も強く物理的な故障を起こしかねませんので、その点への注意も必要です。